8月31日(土)
8月が終わる! 9月中は残暑があっても空気の澄み方がちがうはず。この数日は台風の接近で気温が下がったけれど、必要なければ出かけたくないと思う暑さは異常だった。幾つも予定が重なっている9月を乗り切らなくては。
8月30日(金)
パリでパラリンピックが始まった。よくぞここまで大きくなったと感動しながらも、”障害”を別にすること自体に私はどうしても馴染めない。いわんや重軽のランク付けなんて認めたくない。ひとは全て自然に共存したい。
8月29日(木)
スマホで何度も見る。ドジャースタジアムで大谷翔平始球式の今日、マウンドに上がったのは愛犬デコピン。ボールを拾って一目散に捕手の大谷の許へ。この前は重い病と闘う少年に、その場をプレゼントしたのだった。
8月28日(水)
スマホを入れておく、兎とクローバーがアップリケされた黄緑色の布の袋がすっかり草臥れていた。ドードーが木の実を咥えている同じ作り手の濃いピンクの袋を美礼が買ってくれた。暗いバッグの中でも見つけやすい。
8月27日(火)
スマホの電話部分が調子わるく、「Apple 丸の内」に行く。空間が広くて爽やかで、若いスタッフたちの問いも答えも一瞬でデータとなる様子に時代の先端をみる。問題はすぐ解決し、表のフィルムを新しくしてもらった。
8月26日(月)
今はもう会えない時空にすむ幾つか年上のひとがなんと多いことか。親しく語る間がなかったからこそ、会いたくなる方達もいる。川村ハツエさんの歌集『孔雀青』をよみながら、ああ、このひと、好きだなあと思う。
8月25日(日)
予定がない日曜日の午前中は1、2週間分の買い物。野菜やチーズや卵や牛乳を自分では持ち上げられないほど籠に入れて配達を頼む。2時間ほど後で家で受け取り冷蔵庫に整理すると、もうぐったりして眠くなる。夕方だ。
8月24日(土)
明朝までメディアが40-40‼︎と繰り返すだろうけれど・・その達成した舞台が凄い。ドジャーススタジアムでのレイズ戦で同点の9回裏2死満塁に初球を打ったのが40本目の本塁打だなんて。その前に40回目の盗塁。大谷翔平。
8月23日(金)
サインペンと帯や和服の端切れのコラージュ作品を仏や伊の展覧会に出品している、盛岡の杉山憲子さん(77)という人が新聞で紹介されていた。70歳を過ぎてから人生での経験や感性を開花させたエネルギーが眩い。
8月22日(木)
木曜の2クラス。私は講座中が一番元気だと思う。課題はA コッポラB シカゴカブス。ところで昨日みたのは高橋龍太郎コレクションで、塩田千春、奈良美智、草間彌生、やなぎみわ、山口晃などの初期の面白い作品を見た。
8月21日(水)
日常に戻り、2週間ぶりの横浜クラス。勉強や仕事のためでなく未知の世界や時空間に身を置くために翻訳するこの楽しみは、あとどれくらい続くだろう。帰りがけに現美で展覧会を一つみてラタトゥイユカレーを食べる。
8月20日(火)
アラン・ドロンと田名網敬一、ともに88歳で死去、と今朝、知った。田名網作品は、国立新美術館で大回顧展が始まり、涼しくなったら観にいこうと昨夜、考えていた。『PLAYBOY』の雰囲気を伝えてくれた同時代人。
8月19日(月)
大谷翔平のMJB30球団全部との対戦で本塁打達成とか、ほぼ地元の生徒ばかりという島根県立大社高校の甲子園準々決勝進出とか、野球は興味ないと自認していたのに、ワクワクする。雨の中、大社は8強で終わった。
8月18日(日)
「おみやげ三つ たこ三つ」と何度も歌った。その先は知らない。吉祥寺の家の門の前で毎日のように「さよなら」の代わりに言い合った。「たこ」が凧とは今日、初めて気付いた。西條八十作詞、中山晋平作曲だとも。
8月17日(土)
最近、台風が来るといっては早めに交通機関をとめて「計画運休」という言葉まで定着させた。コロナ菌の感染予防にも熱中症対策にも使われる「不要不急の外出は控えて」という言葉に状況が似ている。なにかおかしい。
8月16日(金)
昨日は夕方に東京SG で『ジャン=ミッシェル・フォロン展』。昔、The NewYorker の表紙で逢った世界が懐かしく、水彩の滲む透明感に心やすらぐ。ブラッドベリーの小説に挿絵を描いたそうで、見たい! 今日は台風接近。
8月15日(木)
2006年に映画『白バラの祈り』をみて、昔、図書館で読んだ本が未来社で版を重ねていると知った『白バラは散らず』。ドイツで1943年に処刑された兄ハンス25歳、妹ゾフィー22歳の姉インゲが書いたもの。今年も読む。
8月14日(水)
ベランダの前に枝を広げている木に時々見る、あのきれいな鳥が飛んできた。頭と顔の部分が黒くて、首から背中にかけて真っ白、身体は灰色で尾がバランスよくスッと長め。鳥は on ではなく in の状態で木に止まっていた。
8月13日(火)
朝刊は2頁が1枚につながったパリ五輪閉幕特集。内容も良かった。陸上女子100メートル金メダルにセントルシアという国を地図で探した。難民選手団としてブレイキンに出てアフガン女性解放を訴えてくれて、ありがとう。
8月12日(月・休)
一日、勝どきの「しごとば」で過ごす。ベランダから見る築地市場跡地がすっかり平らになった。数ヶ月前まであった幾つかの建物も取り払われた。でも場外の店舗はあるので、大通りからはこの広い空き地は見えない。
8月11日(日)
今年の長崎での平和祈念式典で気持ちに雲がかかることがあった。戦争中の駐日イスラエル大使を市が招待しなかったことに対して、米、英、仏、加、独、伊、EUが抗議の欠席をした。平和を祈リたくないのだ、きっと。
8月10日(土)
きのう書いたことは間違い。女子レスリングには吉田沙保里、伊調馨という素敵な二人がいた。自分が格闘技は苦手と決めつけている。ごく狭い経験と先入観に囚われないよう翻訳でも、常々、注意しているはずなのに。
8月9日(金)
今日から12日間、予定も講座もなく1年でいちばん長い休み。猛暑は当たり前のように35度の顔をしていて、史上初めて出場男女数が同じになったパリ・オリンピックをTVでみる。女子レスリングをみるのも初めてで新鮮。
8月8日(木)
昨夜遅く、凄まじい稲妻が空を照らしては消えた。青と白の光が炸裂するのを久しぶりに目にして、合間にひびく雷鳴は怖かったもののガラス戸をあけ、しばし見とれた。雨は降る気配を見せるだけで、空気が湿っていた。
8月7日(水)
今は滅多に一人で外食しない。多分70代までは好きなレストランや定食屋、本が読める喫茶店など行きつけの店があった。若い頃はボトルを預けたバーも数軒。むしろ今また、そういう場があってもいいのかも知れない。
8月6日(火)
パリ五輪たけなわでもあまり興味がなく、メディアは変わらず日本人の金メダルに固執する。何処の誰が金メダルを手に入れたのか伝えるべき。柔道はイタリアが、フェンシングは日本(多分、団体)が勝ったのは面白い。
8月5日(月)
北原白秋は詩と童謡とが渾然とした「あわい」があるのが好き。白秋の弟が起こしたアルス日本児童文庫の1冊『民話のふるさと』も児童向けとはいえ展開する民話論が深くて、心に響く。恩地孝四郎装幀の文庫を全部見たい。
8月4日(日)
東京が沸騰中。「身の回りの高齢者にお声がけを」とスマホに東京都からメッセージが入る。身の回りの、って言う?高齢者は置き物? 家でエアコンをかけ、ジャズを流し、水羊羹を食べ、本を読む。勿体ないほど贅沢。
8月3日(土)
野球とクリケットの違いで始まる課題で横浜のクラス。図書館からスポーツ図鑑を借りてきた人あり、いい勉強の仕方に心温まる。そこにバスク地方が載っていて、ビルバオ、バスク、ゲルニカと懐かしい地名に心揺れる。
8月2日(金)
佐久の知乃さんから送られた包を開けると、ふわっと爽やかな甘い匂いが広がった。嬉しい!「ラベンダーのポプリを届けます」。ハート型に縫った袋の中のカサッと優しい花たちは知乃さんが庭で育てたもの。幸せ。
8月1日(木)
「島で、或あさ、鯨がとれた/どこの家でも、鯨を食べた/髭は、呻りに、売られていった/りらら、鯨油は、ランプで燃えた/鯨の話が、どこでもされた/島は、小さな、まずしい村だ」(新美南吉『島』ー鯨の髭は凧のうなりに用いられますー1930年代作)