2025年4月

4月30日(水)
ケーキが高くなった。店にもよるけれど、ショートケーキでもミルフィーユでも、きちんと作られてケースに並べられると500円が普通で、スーパーで苺を1パック買うのと同じ。でも材料や手間を思えば無理もないし・・


4月29日(火・休)
30年もなじみの美容院に行くと、若い女性が、先にシャンプーしましょうねとテキパキと動く。今日はあなたがやってくださるの? ヤスコ店長はお休み? と聞くと「私、ヤスコです」。私はボケタと思われたに違いない。


4月28日(月)
『岡崎乾二郎 而今而後展』開会式と内覧会があり、都現代美術館へ。大病を切り抜けて新作を創り出した沸々たる意欲のこもった作品群をみる。とくに立体作品は初めてみるもので、手で握られた感じがある。象がいい。


4月27日(日)
青い木製ブラインド2枚の間に幅1m ほどの白い壁があり、そこにニコ・ピロスマニ『マルガリータ』の額入りポスターを掛けてみた。青い背景に白いドレスの女優を描いた絵がしっくり合う。前にあるソファも濃い青。


4月26日(土)
日が経つことへの感覚がおかしくなっている。引越し作業があったのが数日前のような気がしていて、だんぼーる箱が積んであるからかもしれないけれど今頃、疲れが出てきたというか、張り切っていたものが切れた感じ。


4月25日(金)
5月に出るリッチの論集『嘘、秘密、沈黙』の解説を満谷マーガレットさんが書いて、原稿をメールで読ませてくれた。素晴らしい。詩人リッチをこれほど明確に、いきいきと描き出した文章を読んだことがない。うれしい。


4月24日(木)
このところ、新たな知り合いが増えたり、何年も会っていない人が声をかけてくれたりすることが多い。勝どきの部屋がなくなったら、全く別のマンションの同じ部屋番号の人と親しくなりそうなのも、霊験だと思いたい。


4月23日(水)
「Adrienne Rich という地球の遠い地に生きた卓越した女性を、こうして日本の地に着地させ、女性たちの、女性であることの何であるかの、思考の根を残す・・」と書いてくれた唐澤るみ子さんの手紙文にこそ私は感動する。


4月22日(火)
ツツジが花開き、わくわくする。我が棟の東南角を囲む一群の濃いピンクの花は一つ一つが大きく艶やか。所々に白い花をつける木があって、華やかさが際立つ。緑の葉が光る木々もあり、無知な私は名をあげて記せない。


4月21日(月)
従姉の美枝ちゃんの言葉。「謹厳な校長先生だった祖父だけど、あの時代に祖母と寄り添って歩いていた。出産の時、このほうが楽だからと腰を後ろから抱きあげて産ませたのよ」。リッチの理想を我が祖父がしていたとは!


4月20日(日)
ジグソー『元素周期表』を完成!10日前から少しずつやって、300ピースなのに手こずっていた。水素、酸素、金、銀などは覚えていても、リバモリウムとかオガネソンとか初めましての元素記号が100以上。楽しかった。


4月19日(土)
定年後に備えて横浜ACCのある土曜講座で勉強を始めたユカさんと、ルミネの一角でお茶。国家試験のある資格を目指すそうで、偉い。しかも定年は3年後だそうで驚く。なんとしっかり計画的に歩いているのかしら。


4月18日(金)
勝どきの歯科へ。プラザ勝どきの屋上にあった金色のオブジェがなくなっていた。帰りに今日こそ近美に。『ヒルマ・アフ・クリント展』。清らかな抽象性が心地よいが、カンディンスキーと比べることはないと思う。


4月17日(木)
新宿の帰りに竹橋駅に着いたところで近美行きは挫折。無味乾燥な細長いホームの逆の端に降りて、立ちすくんだ。はるか遠くに階段。改札を出た後も階段のはず。考えて乗った東西線だけれど、やっぱり優しくなかった。


4月16日(水)
横浜クラスでA・カーターの短篇『ザ・キス』を終える。サマルカンドの市場でカラーを売る老女、建築士にキスしてティムール大帝のもとを去る妃、シェヘラザードが重なって、現代のウズベキスタンが幻想的に描かれる。


4月15日(火)
一生は百年でも短い。昔は八十歳をヨボヨボの年寄りだと思っていた。でもなってみると全然大人ではない。自分の母親も百年前にまだ中学生だったし。ただ一方で、私の人生、もう終わってもいいと思うときもある。


4月14日(月)
夕刊に載った土浦市・真鍋小学校校庭で満開のソメイヨシノ。植えられて118年とのことで、母の母校かと卒業證書を見ると母は大正14年に土浦小學校卒だった。ちょうど百年前。私が86歳なのに?なんだか人生って短い。


4月13日(日)
雨の中、スーパーに行くと、会う人がみな、桜もおしまいねと言う。重くて持ち上がらないほど籠いっぱい野菜などを買って配達を頼む。ブルドックの有機野菜使用ソースとデンマークのブルーチーズが復活していた!


4月12日(土)
2時半に家を出て、ファミマで予約済みのチケットを取り、郵便を出し、三菱一号館美で「ビアズリー展」をみて、4時半に帰る。ビアズリーの作品は、実物をさらっと目に焼き付け、ディテールを画集で楽しむのがいい。


4月11日(金)
トランプ米大統領が凄まじい関税措置を繰り出している。とくに対中国関税を大幅に引き上げて、追加関税145%という数字が紙面やネット上を舞っている。中国は報復するだろうとも報じられ地球上は新たな戦いの坩堝。


4月10日(木)
新宿と横浜の朝日カルチャーセンターに講座を持って20年を越し、6、7人がその20数年にわたって参加してくれていることを、心の底からありがたく思う。クラスに来られなくなっても親交が続いている方たちもいて・・・


4月9日(水)
花見は家の近所、木場や門仲辺りのバスの中から、横浜往復の京急の車窓から、になりそう。それでも十分、心が満たされる。月島の近くでは車で花の下に潜る心地よさ。今週後半から、ようやく美術館のどれかに行ける。


4月8日(火)
25年も通った「仕事場」なのだから離れるのは寂しいかと思っていた。でもそんなことはなかった。立ち寄らなくては、と絶えず気にするのも面倒だったから、いまずっと家にいられるのが気持ちいい!電子機器もあるし。


4月7日(月)
自宅で良き電子環境にいると YouTube にはまりがち。いまテレビをみないので、一層そうなる。で、13歳になった HIMARI のベルリンフィルとのヴィエニャフスキ「ヴァイオリン協奏曲第一番」。茫然と身を委ねてしまう。


4月6日(日)
シニアの総会。昔から顔とお名前を一致させられなく、コロナ期を経て数年ぶりに会ったりマスクをかけていられると、だめ。話していて同じ階段を使っている方だと分かって言い訳したり。知り合いが増えて緊張する。


4月5日(土)
広告が出ましたね、と弾んだメールをくれる人がいるのは嬉しい。昨日の朝日新聞一面の下に晶文社の『女から生まれる』の広告。詩人のアドリエンヌに切り抜いて送ってあげたかった。漢字のどっちが上かを示して。


4月4日(金)
「オヂイサンハ マイニチ ゴハンヲタイタリ ソトへゴヨウニデタリ トテモイソガシイデスガ ゲンキデス。チカチャンハモウオテツダイヲスルソウデスガ、マダガッコウヘモデナイノニ イライコトデス。(中略)イマニマタオカアサントマナベヘオイデナサイ。ゴチソウイタシマセウ。」祖父から。


4月3日(木)
これまで仕事場でしていたパソコンワークを自宅でするため、Wi-fi 環境を整え光回線を接続設定する工事を美礼に差配してもらう。と書けばいいのかどうかすら、私には自信がない。娘が機械や電気に強いのはすてきだ。


4月2日(水)
5歳の私が大連で書いた手紙は旧仮名遣いのカタカナだ。その後戦争で小学校には行けず満州から引揚げ、吉祥寺の自宅から武蔵野一小に2年生2学期から通った。小金井の附中に入ったのがその4年後だったとは信じられない。


4月1日(火)
「オヂイサンハ イマゴロ ナニシテイマスカ。チカハモウヲテツダイガデキマス。デモテツダヒナラズットマヒカラシテマス。オヂイサンノホウモカムイヌガイマスカ。ウチノオトナリニイマス。ソレハトホルトスグホヘマス。ニゲルトカミマス。ニゲタラカミマス。チカハニゲタノデカマレマシタ。オヂイサンへ。サヤウナラ。」私、5歳。