2023年7月

7月31日(月)
国連事務総長曰く、The era of global warming has ended; the era of global boiling (地球沸騰化の時代) has arrived. 区役所からは熱中症警戒と救急車ひっ迫アラートが連日、届く。高齢の仲間たち、エアコンは使いましょうか。


7月30日(日)
新宿ピット・インで夜7時半からのライブの誘いを先約が終わる時間と重なるのでお断り。ただ、この数年、夜の催事は行かない。タクシーを降りて数米の足元の暗さを理由にしてきたが、ふと思う。そんな自衛はやめようか。


7月29日(土)
クリとサツマイモのどちらが好きかアンケートに答えて、イガの中から栗を取り出す感触を思い出した。痛いから足で押さえてツヤツヤの実を拾う。吉祥寺の家の庭が今の5倍はあった・・栗も柿もなり向日葵も秋桜も咲いた。


7月28日(金)
東京OLのあった一昨年、疑問だらけの五輪よりも大谷翔平を! とアメリカの配信を追いかけていた。MLでの18年の初ホームランが素敵だった。そして今朝はついにーー投手として初完封、打者として37、38号連続ホームラン。


7月27日(木)
新宿で2クラスある日が気に入っている。3時間続けては大変だねと言われることもあるが、全然そんなことはない。こうして20年を越してしまい、もう少し実のある内容に出来たのではないかという思いは常々あるのだけれど。


7月26日(水)
森村誠一の逝去に、赤川次郎の惜別の言葉を今日の朝刊に読む。二人の中間くらいの年代の者としては読まずには過ごせなかった深く広い二人の多作作家。小説の面白さだけでなく特に声欄への鋭い投書の多さも印象深い。


7月25日(火)
課題で読んでいるマーシャ・デサンクティスのエッセイに “miss and require ・・・the passion that had defined me” とある。筆者の場合はチェーホフなどのロシア文学で、私が毎日1冊の本を棚から取り出すのも、まさにその気持ち。


7月24日(月)
物を捨てられなくて整理が本当に大変。20数年前の定年者招待会の大きくて立派な表紙のついた記念写真が出てきた。60人近くが揃っている中で女は私だけで、最前列の真ん中で澄ましている。ここでも「ひとり」だった。


7月23日(日)
sさんから暑中見舞いとして資生堂パーラーのフリュイジュレ。頂き物についてはここに書かないことにしているけれど、昨日との偶然の重なりが嬉しくて。ぱて屋さんのレバーパテやニシンの酢漬けも届き、豊かな猛暑日。


7月22日(土)
資生堂パーラーのヴィシソワーズ(私はスプーンをきれいに使えないので美礼だけ)、横で作ってくれるシーザーズサラダ、舌平目のムニエル。シャンペンと白ワインはグラスで。パンとコーヒーで大満足の1年に1回の正餐。


7月21日(金)
処分できない手紙類がある。何年かぶりに読んではまた文箱に入れる。亡くなったmさんのお母様からの、娘の夫がアクセサリーを送り返してきて、その中にその彼の指にはめてあったリングも入っていましたという手紙も。


7月20日(木)
新宿住友ビルのACCに行く前に33階に上がり、3年ぶりに平和祈念展示資料館に寄る。いつもの引揚船内のジオラマに胸を締め付けられながら、同年輩で同じように引き揚げてきた森田拳次など43人の漫画家たちの作品をみた。


7月19日(水)
雅楽を奏でる前に、笙、篳篥、琵琶などが太鼓のような打物のリードで拍子を合わせることを「打ち合わせ」といって、それが今も使われているとは・・。打ち合わせ好きだった私が「しつもん!ドラえもん」で初めて知った。


7月18日(火)
気温37度で日が照るところを歩くと、さすがに、クラッとなりそう。郵便局に寄って勝どきに行くだけで身体の消耗を感じる。こういう時でも灌木の手入れや共有地域の清掃を仕事としている人たちがいて、本当にご苦労様。


7月17日(月・休)
夜明けまでウインブルドンの決勝を見る。ジョコビッチ対アルカラス。二人とも似合わない髭面で白づくめなので眠気まなこには区別がつかず、レベルの高い打ち合いも個性を超えていた。5時間近く。カルロスの新時代、到来。


7月16日(日)
朝5時少し前。新聞を読み終え、もう一度眠るか、起きようかとベッド横のカーテンをひく。まだマット調に薄青い空に細かな白い雲が横向きにたくさん散らばっている。と思ううちに光が含まれ、青も白も輝きはじめた。


7月15日(土)
『洞穴学・・』の最終頁にある他の岩波新書のいくつかに手書きで小さな印がついていることに気付いた。その揃った形に、これを読んで回してくれたひとがいたことを思い出した。50年以上借りたままの本だと忘れていた。


7月14日(金)
今日の1冊を『洞穴学ことはじめ』にして懐かしさに浸る。岩波新書で出て、なぜかすぐに読み、衝撃を受けた。ムシは大嫌いなのに、これが理系の学問なら自分は絶対に理系の道を歩みたかったと人生観まで揺らいだ。


7月13日(木)
バス停で、たまに会うひとと話がはずんだ。これから人形町の袋物屋さんに行くという。買ったポーチの使い勝手がいいのでその大判を見ようと思って、と楽しそう。真っ赤な布地に小さな刺繍が飛んでいて私も欲しかった。


7月12日(水)
青い木のブラインドの桟を全部並行にして硝子戸の先に目をやると広がる緑は・・そよとも動かない。外ではきっと暑い空気がかたまっている。でも出かける。今日はエベレスト離れを思うネパールのシェルパ達の話の訳。


7月11日(火)
スポーツマンシップ大賞を受けた小平奈緒選手、車椅子テニスの小田凱人選手などのコメントが深くてよかったが、一方野球のグラブを叩きつけて非難された有吉弘行が「(グラブが)大事な友達だからこそ」と憤るのもいい。


7月10日(月)
早朝から熱中症警戒アラートがスマホに入りテレビで繰り返される。都心36度、八王子37度、熊谷38度の予報。コロナも衰えてはいないという。みたい映画の上映日程が気になるけれど家でしなくてはならないこともあり・・


7月9日(日)
『おみまい』は矢川澄子さんの「自作の絵本としては本書がはじめて」と、裏扉の経歴の最後にある。だから多分、唯一の自作絵本ということ。宇野亜喜良・絵にもヤガワさんの意向が含まれているのか聞きたかった。


7月8日(土)
夕方過ぎの7時にまだ明るい。予報などで知る昼間の気温はおそろしいほど高いけれど、いま、外の風は爽やかで心地よい。暗くなる前に家に帰り着くだろう。甲府まで帰るひとの平安も祈りつつ見る空は銀藍色に澄んでいる。


7月7日(金)
コロナ禍でなでしこ会も3年以上開けていないからと、白石さんが教えてくれた級友たちの近況で、松田光司さんの逝去を知る。「おいしい寿司屋を見つけたよ」と声をかけてくれて4人で豊洲に行ったのが最後だったなんて。


7月6日(木)
翻訳課題は、来年の夏季五輪開催に向けてパリ市がセーヌ川の清掃に取り組む記事。前回パリで夏季が開かれたのは1924年で、この100年での川の変わり具合は人間の地球汚染を象徴する。気持ちよく泳げるようになるかしら。


7月5日(水)
このブログに毎日1冊の本の名を記すことにしたのは嬉しい。今日の詩集は裏表紙に次姉ヤスコのきれいな字で「15歳の誕生を祝して」とある。永瀬清子の「きづなは地にあこがれは空に」など幾度こえに出してきたことか。


7月4日(火)
パスワードというのに振り回されることが、よくある。一つのノートに書き込んではいるのだけれど、どういうわけか何年か経つと通じなくなったりしている。絶対それなのに、頑として受け入れない。この番号世界、いや。


7月3日(月)
昼間、久しぶりの吉祥寺「カフェロシア」で吉良さんと、このブログについて打ち合わせをする。代島さんから素敵な98字での送別メールをもらい、11年1ヵ月の来し方を思い、あとどれくらい続けられるのか行く末を思う。


7月2日(日)
小中高生が読書感想文や作文に生成 AIを使わないよう文科省がガイドラインを作るという(朝刊から)。大人は魅力的なものを生み出しては、子どもに使うなと命令する。どう使うか教える方が人生が明るくなるのではない?


7月1日(土)
「・・美登利は何ゆゑとなく懐かしき思ひにて違ひ棚の一輪ざしに入れて淋しく清き姿をめでけるが、聞くともなしに伝へ聞く其明けの日は信如が何がしの学林に袖の色かへぬべき当日なりしとぞ。」(樋口一葉『たけくらべ』終い)