2023年8月

8月31日(木)
ツイッターが買収されて先月末からロゴマークの青い鳥がXになった。画面上ではデザイン化されていても、紙面上では「X(旧ツイッター)」。読み方はエクシズらしい。日本の人口の半分がユーザーだという。本当?


8月30日(水)
暑い、としか言いようのない外。日向でのバス待ちは5分でも辛い。インドのひとは涼しそう。ピタッとした濃紅のタイツに、ピンク、緑、灰白の縞で腰の上から長くスリットの入った薄い綿の服。襟周りの花の刺繍が美しい。


8月29日(火)
『黒馬物語』は佐喜子姉から14歳の私へのプレゼント。当時は考えもしなかった訳について今、感激している。「この飜訳は(戦中に脱稿し)・・あの苛烈な戦争を無事どこかで生き抜いて・・」。当時、訳者は熊本在住。


8月28日(月)
昨日は駅前で娘と手打ち蕎麦を食べ、コーヒーを飲もうと何軒か歩く。珈琲館はなくなり、エレベーターで上がれる喫茶店は満員でミスタードーナツに。様々なコーナーがあり注文の仕方を初体験したので一人で行かれそう。


8月27日(日)
既に読んだ本を1日1冊選ぶことがこれほど強烈な魔力を持っているとは・・。過去に引き戻されるというよりも、気付いていなかった新しい視野が開けるのだ。『ロンドンー東京・・』を読んで思う。辻ご夫妻に会いたい!


8月26日(土)
猛暑の間はエアコンを効かせた部屋に切り花を置くことが躊躇われるけれど、涼しいのが好きな花もいるかもしれない。数日、小ぶりの向日葵が部屋を明るくしてくれていて今朝、片付けた。次はトルコ桔梗がいいかな。


8月25日(金)
読んだ時には感銘を受けたのに、その後ずっと書棚の奥にあった本もある。小中と一緒だった岩崎和子さんのお母様の随筆集『夢の風車』がそうだった。大切なものに触れながら十分に受け止めきれずにいた自分が悲しい。


8月24日(木)
朝食の定番はコーヒー、トマト+カッテージチーズ、胡瓜あるいは茹でブロッコリー+しめじ+ピーナッツ・ドレッシング、黒パン+蜂蜜漬レモン、あれば生鮭の香草オリーブ焼き、朝刊のオピニオンページを読みながら。


8月23日(水)
冷房の効いた家の中に閉じこもっていて、急に陽光の照りつける中に出て行くと、きつい。8月はいろいろと思うことも重く、そこに原発処理水海洋放出というドーンと重い事態に直面させられて日本の民の魂はどうなるの?


8月22日(火)
大谷翔平の一番好きな点は走るのが速いこと。しかも懸命に走ること。一塁でアウトにさせず内野安打にしてしまう。前代未聞の two-way player は草野球の原点だからこそ皆んなが感激するのだと思う。投げる子は打つ。


8月21日(月)
書棚から読み直したい本が次々と出てきて、熱風の街中に出ていく足を引き留める。でも昨夜、読み耽ったのは附中5期A組つまり隣のクラスの30年前の会誌だった。二人の級友の逝去に寄せられた言葉や連句に時を忘れた。


8月20日(日)
きのうは勝どきでバス停に着いた途端にスカイツリー行がきて、ラッキーと思いポケットを探り、上着が裏返しなことに気がついた。パスを取り出して乗ると優先席も空いていて座り、木場からはタクシーで結局そのまま。


8月19日(土)
アメリカ人でロシア文学に傾倒したM・デサンクティスのエッセイを課題として横浜では終わる。ドストエフスキーやトルストイをはじめとする長い系譜を改めて振り返ってみれば、戦争などしている場合じゃないと思う。


8月18日(金)
朝5時、熱中症警戒アラートが区役所からメールで入る。「不要不急の外出はせず冷房の効いた室内にいる」よう、とくに65歳以上に注意を促す。はい、今日は家にいます。最高気温35度は確かに異常。甲府は37度で大丈夫?


8月17日(木)
もう昔のことだけれど私の訳が間違っていると、ある本で男性に指摘された。その一つがpants の訳で「パンツ」は変だという。アメリカ人の女の子の服装描写で、もう日本でもズボンといわずパンツと呼び始めていたのに。


8月16日(水)
1週間の夏休みが今日で終わり。本の整理にようやく手をつけ始める。50数年持っていたものが価値か古紙か迷う。Concerned Theatre Japan の準備号2冊は美恵さんが回してくれることになり 8mm 減。年内に終えられるだろうか。


8月15日(火)
敬虔なクリスチャンだった伊東先生は昭和16年に外語大卒、20年には海軍大尉だった。大学同期の村上博さんは戦犯容疑者となり、23年に軍法会議で死刑判決を受け27歳で銃殺された。先生は生涯、深い悲しみを抱えられた。


8月14日(月)
南友会が伊東定典教授を偲び、2002年8月に出した追悼集を抽斗から出して読む。先生はいつも私の立つべき位置を示して下さった。ただ未熟な私は問うタイミングをいつも外していた。外したことすら気付かない私だった。


8月13日(日)
映画『シュガーマン 奇跡に愛された男』の歌手シクスト・ロドリゲス(81)の8日死去が、11日朝刊にAFP時事の配信そのままで報じられた。深く感動して二度みて、パンフレットについては不満をこのブログに書いた映画。


8月12日(土)
集まって話す場がほとんどない今だけれど、私よりずっと若い英語教育者二人、弥香さん延美さんと八重洲の「アステリスク」で楽しく食事。炎天下、タクシーで通った深川では八幡祭りの賑わいが夕暮を待ちわびていた。


8月11日(金)
『アンネの日記』の皆藤訳は『光ほのかに』として中学時代に読んでいた。終戦後すぐに訳されたことに驚く。オランダ語を専攻して読んだ原書は初版が1947年。ただその後の深町訳も英訳から。オランダ語から訳したかった。


8月10日(木)
きのうは帰りに近美で『ガウディとサグラダ・ファミリア展』。疲れた。建築を模型や図版から感じ考える能力が私にはないことを忘れていた。混んでもいたし、もう一度、リストの中から見たいものだけ数点、見に行くか。


8月9日(水)
世の中が夏休みムード。横浜のクラスも出席は3人だけ。アラン・シリトーの短編で一人の男の子の日常的な心理描写が多い。head とあると頭しか訳を考えないのが残念で翻訳するのなら20くらい思いついて、と無理を言う。


8月8日(火)
1968年に『これが沖縄だ』展を水原デスクが企画し、私が初めて一人で担当した。執筆陣の一人で2歳上の新崎盛暉さんに励まされつつ、自由に行かれない返還前の沖縄について必死に学んだ。日本橋三越から5都市で開催。


8月7日(月)
沖縄を日本の人たちに意識させたのは1953年の東映映画『ひめゆりの塔』だったという。私は高校生の時にみた。今井正監督、石野径一郎原作、水木洋子脚色。白黒で津島恵子や香川京子が出演。1982年にカラー版リメイク。


8月6日(日)
朝6時半にゴミすてにいった時はまだ空気が爽やかだった。9時にシーツを干そうとベランダに出ると、すでに熱風。クーラーの効いたへやのガラス越しに広がるのは緑の樹々、深青い空、膨らんでは形を変えて遊ぶ白い雲たち。


8月5日(土)
大谷翔平が昨日は4回まで投手で完全に押さえ、その後40号ホームランでエンゼルスの勝ち状況をつくりながら、守護神投手がかわいそうに9回表でずるずると満塁ホームランを打たれてチームは負け。きっと運もある。


8月4日(金)
豆をいろいろ食べてね。そう書いてくれた人がいる。好き勝手な食事をしているけれど、なぜか豆類は多く摂っている気がする。豆腐、高野豆腐、納豆、きな粉、枝豆、空豆のどれかは、好きで毎日必ず。小豆も多いかも。


8月3日(木)
今週は4クラス全てあるけれど、なんだか元気。ただ翻訳塾以外のことが全くできない。本を送ってこられて感想を、と言われながら、6、7冊そのままになっている。感想を聞きたいのは自分も同じなので気持ちは分かりつつ・・


8月2日(水)
7月は日本の観測史上(この126年間)最も暑く、1978年以来だったとのこと。7月生まれの娘が何歳の時か考えて現実感とする。白地に黄色の模様入りの木綿のサンドレスを近所の洋装店で作ってもらい、よく似合っていた。


8月1日(火)
その日に心に響く本を1冊、古い棚から手に取り、豊かな時間とする。今になって気付くことも多い。ギャリコの『Snowflake』はカナダの古書店から郵便で取り寄せた。英国で1952年に初版が出たものの10版だと今日、知った。