5月31日(金)
春はいつ来た? どこかに行ってしまったね。暑い心配をするなんて今の季節は何? 梅雨? 5月が過ぎるのが早かった! ついこの間まで寒かったのに、明日から6月だから夏服だね。ガヤガヤ、ワサワサ、立ち話はこんなふう。
5月30日(木)
難波田史男の没後50年展示がよかった。100点の最後に並んだ海、空、舟の絵が時空を超える。宇野亜喜良の長寿を讃えたい膨大な作品群の後で、32歳で去った画家の清冽さに浸る。わが同時代の二人。オペラシティで。
5月29日(水)
政治に関わるつもりはさらさらないけれど、有権者としての目は見開いていたい。7月7日に都知事選があり、今朝の新聞では都内の区市町村の80%の長が連名で現知事に出馬要請したそうで、びっくり。そんなに良かった?
5月28日(火)
母の手料理にスナップエンドウはなく私が家で食卓にあげることもなかった。さやえんどうも隠元も蚕豆も大好きなのに。ご自宅の畑で採れたスナップエンドウを頂いてから、その美味しさにはまって毎日のように買う。
5月27日(月)
バスに乗ると、特に荒川の川岸を見渡す。江東区で目撃されている迷いシカが見つかるかも知れない。川を東へと渡れば緑が鬱蒼と茂る清新町だから、おいで。そして川沿いに南に行けば葛西臨海公園で助けてくれるよ。
5月26日(日)
代島治彦監督『ゲバルトの杜〜彼は早稲田で死んだ』が完成し、昨日からユーロスペースで一般公開。今日は一日かけて、送ってもらったパンフレットを読む。立体的な構成が説得力あるドキュメンタリーを屹立させた。
5月25日(土)
田川律さんの料理本で最初に読んだのは『男の台所』だったと思うけれど見当たらない。それで『地球の・・』にした。自分の似顔絵付きのサインとともに「茅香子様」とある。苗字を忘れたのだ、きっと。もういない。
5月24日(金)
『TRIO モダン・アート・コレクション展』をみに竹橋へ。3館から選ばれた110作家の作品が並び、こういう展覧会の方が私は個展より好き。初めて現物をみる多くが中之島美所蔵だった。バスキアもマグリットも佐伯祐三も。
5月23日(木)
2クラス続く木曜日は3時間分の事前添削が間に合わないと一度は観念する。どうしても最後まで残ってしまう部分があるのだ。今日もそうだったが、不思議とギリギリ出かける前に終わる。コーヒーをゆっくり飲み過ぎ!
5月22日(水)
課題にスポーツを、という希望があり一般的な話題として、少し古いけれどビル・ブライソンにした。おかげで野球音痴だった私が知ったかぶりをしてワールドシリーズについて語ったりする。やはり理解すると面白い。
5月21日(火)
料理本が膨大にあるのは、読んだだけで楽しく作った気になる脳天気なたちだから。たいてい2頁だけ汚れているのは繰り返し見て作ったから。娘の誕生日会にスイカが器のフルーツポンチ、友人たちを招いてライスケーキ。
5月20日(月)
夕べ8時頃、まりさんから電話があり、おやすみなさいと切ったのは10時頃だった。この数ヶ月、手術、二次感染、骨折をくぐり抜けて声にようやく晴れやかな響きがあった。部屋の掃除、極端な男子優先、映画、杖、etc.
5月19日(日)
狛江で古今亭始の落語と神田松麻呂の講談。始は9月に真打昇進なので次は伝輔として聴くことになる。和田誠が台本を残した一つ「鬼ヶ島」他のいずれも面白かったけれど、吉原は落語の中でずっと生き続けるのかしら。
5月18日(土)
ロサンゼルス市に「大谷翔平の日」ができて、背番号に因んだ5月17日が Shohei Ohtani Day となる。なにか不思議なふわふわ感。お祭り気分は楽しいけれど、図らずも賭博の泥沼のような怖さも教えられたと考えたい。
5月17日(金)
正午に勝どきの歯科、午後4時に家で食料品の受け取り。この二つで完全に一日が過ぎ、夜ようやく明日の準備に取り掛かる。でもその間に美礼が買っておいてくれた『Perfect Days』のパンフレットに瞬時没頭。読めてよかった。
5月16日(木)
新宿クラスを長くお休みしていた間、課題訳の添削を郵送でやり取りしていた方が、とつぜん出席。直腸の大手術だったとのこと。今日はアメリカの野球について大いに語り、私の無知を埋めて元気を分けてくださった。
5月15日(水)
清新町のバス停では必ず数人のインドの人と一緒になる。10年ほど前より町に馴染んでいる。以前は男性に誇り高い感じが強かったのが、最近では私のような老人がベンチに座れるよう、列の順番を代わってくれたりする。
5月14日(火)
判断が鈍くなって、大切な事や人を見失う。今夜は北川暁子さんのピアノリサイタルに行けなかった。夜の外出にも例外があっていいと自分に伝えていなかったため。上野からタクシーで帰ればすむことだったのに。
5月13日(月)
しっとりと雨に包まれる樹々を見ながら過ごす一日。ケネス・クラークの本でスーラの『水浴』について読む。platonic beauty という言葉がぴったりの、25歳の作品。32歳で生を終えなければ・・という詠嘆に共感する。
5月12日(日)
「月に憑かれたピエロ」などシェンーンベルク作曲の歌を工藤あかね・ソプラノと廻由美子・ピアノで聴きに虎の門のビーテックへ。行きやすいベーゼンドルファー店舗。でもこの2日は東西線が一部運休で散々な目にあう。
5月11日(土)
今日は失敗の多かった日だけれど、沢山歩いても怪我をせず、いま自分の部屋から薄藍色に染まった美しい夕空を見ていられるのだから良しとしよう。あの良き「パーフェクト・デイズ」は正しくは『PERFECT DAYS 』だった。
5月10日(金)
千葉の野田市でコウノトリが2羽のひなをかえしたという。10年ほど前から幼鳥を放って飼育していたのが成功したそうで、そういえばわが家の近くによく飛んで来ていた鳥たちの姿は減っている気がして心配だし寂しい。
5月9日(木)
一昨日スーパーで、すぐ食べるフルーツを安く買った。夜にふとレシートを見ると、それとは別に値引き前のも付いている。昨日迷いつつ申し出ると、セルフレジを二度通ったのですね、と即座に現金で返してくれて感激。
5月8日(水)
あの初経験は、どの芝居で? 全てが終わり舞台の奥の壁だった幕がさーっと開いて日常とつながる。通りを歩く人達がこちらを見つめ、野良犬が横切る。花園神社で紅テントだったか黒テントだったか。唐十郎さん逝去。
5月7日(火)
ヴィム・ヴェンダース監督の『パーフェクト・デイズ』が船堀シネパルで昼間上映になって、やっと見る。昨年暮の公開だったのだから遅すぎで後悔しきり。柴田元幸さんが出演しているなんて誰からも聞かなかったし・・
5月6日(月・休)
ドジャースの大谷翔平が1試合の中でホームラン9号と10号を打った。10号は141mという今季自己最長だそうで、それがどれほどすごいことなのか私にはよくわからないけれど、滅多に飛ばせない距離らしい。おめでとう。
5月5日(日)
映画『オッペンハイマー』のプログラムはデザインがきつい。ごく細かな活字が黒地に白抜き、赤地に黒で何ページも続く。誰にこれを読ませるの? でも中身は知りたいことだから、手元に留めて少しずつ読んでいる。
5月4日(土・休)
誰とも会わずに過ぎると一日が長く感じられる。でもすることには事欠かない。相変わらず思っていたことの半分も終らない。のり子さんの『かつおは皮がおいしい』の幾度目かの拾い読みをしていたら夜になっていた。
5月3日(金・休)
今日から4連休中は晴天らしい。銀座は大きなスーツケース(これまでの大の約2倍)を引く家族や若者で溢れていて、その分、住宅街は深と静か。ブランクーシは1点、心を掴まれるものがあればいいのだ。ただ、それはどれ?
5月2 日(木)
アーティゾンで『ブランクーシ展』。待望の、と言える内容であるはずはなかった。いま大回顧展がポンピドゥーで開催されている最中なのだから。むしろ数十年前に見た覚えのある石橋コレクションが懐かしかった。
5月1日(水)
「におうぞ におうぞ こいつは たまらん ちょっと その あじ みて みたい/そんな うたが きこえて きた。/アーコはおどろいて、りょうてで しっかり、はちみつの びんを かかえた。」(大石真『アーコのおみまい』から抜粋)