9月30日(火)
満州のどこかで夜、自分の手も見えない闇の中、弟を抱えて無蓋貨物車の床に座っていた6歳の私。そのまま親達と会えないこともありえた。でも引揚げ船の甲板で「紙風船はポーンよポン」と歌っては拍手されていた私。
9月29日(月)
1946年、臨時列車で品川駅に着いた満州からの引き揚げ孤児達の写真を新聞でみる。荷物を背負い胸に両親の遺骨を抱き、弟の腕を握る激しい顔の10歳くらいの女の子。どうかその後の人生で笑顔を見つけていますように。
9月28日(日)
戦後80年。朝鮮半島からの過酷な引揚げ体験を伝える津金昭人さんの語りが朝日で紹介された。定年後の今は調布市民オペラを立ち上げてテノールを担当。立高で私が1年の時、劇の演出を指導してくれた素敵な先輩だった。
9月27日(土)
朝、起きて、外出の予定のない心地よさをゆっくりと味わっていると、なんと夕方になっている。これが年取ったということかしら。今日は郵送式の添削分を仕上げ、新たな課題を入れてポストまで持っていったけれど。
9月26日(金)
ジョージア語のオンライン講座が休みで、それはそれで、ほっとする。ずいぶん昔、メデア先生の授業を受けて、その優しさに我が身の教え方を反省したのだけれど、いま五月女颯先生の進め方は、リズム的にも心地よい。
9月25日(木)
翻訳塾のあと、何人かとロイヤルホストでくつろぐ。ずっと以前にクラスにいた、とくに同年輩の、辞めていったあの人、この人は気になるけれど私から声をかけるわけにはいかず、元気でいらしていてくださいと願うのみ。
9月24日(水)
ようやく、と言おうか、とつぜん風が冷たくなった。陽光はまだしっかりと強さを抱え込んでいて眩しい。バス停に並ぶ人たちは夏姿のままだけれど、息がつけますね、と微笑みあう。いつの間にか、もうすぐ十月だから。
9月23日(火・休)
自民総裁選に名乗りをあげた5人が、強弱はあるにしても外国人政策を「締めつけ」方向で取り組む姿勢をみせている。日本人も大勢が外国に行き恩恵を受けているのに、そういう声が表に出てこない。投書欄にも出ない。
9月22日(月)
1000より999の方が好き。だから、いしいひさいち『ののちゃん』は明日の9999回目を楽しみにしている。でも明日も明後日も、いつも通りなにげなく過ぎていってほしい。何気ない日々こそ大切で愛しいものだから。
9月21日(日)
東京世界陸上の女子1500で優勝、5000で2位ーケニアのフェイス・キピエゴン(31)。身長152cmの小柄な選手。7年前に娘を出産して以来、今も年間7万人の妊産婦が亡くなる分娩後異常出血を減らすチャリティーに取り組む。
9月20日(土)
自分がどういう時代にいるか、その最中には多分、分かっていない。本を整理していて、例えば1960年代、70年代の騒然とした社会にあって、何より日々の私的な事ごとに囚われていた自分を見つけ、ひとこと言いたい。
9月19日(金)
『アリアドネの声』に心を揺さぶられた。その結末には幾度もまえに戻って読み直したくさせる魔力があった。年齢も性別も不明の作者だけれど、若者でなくては書けない、若い世代への信頼を新たにする作品だった。
9月18日(木)
歯、耳、目、髪、血圧などの定期チェックは面倒。行きたくない。予約した日が近付くとキャンセルという文字が魅惑的にちらつく。でも結局いつかは行くのだからと思い直す。それに行かなければ、歩けなくなりそう。
9月17日(水)
サンドラ・ブロック主演の、中でも彼女が「最低女優主演賞」を受けた『All About Steve』を、聾の女の子が赤いブーツを履いていたシーンを、また観たい。邦題『ウルトラ I LOVE YOU』が変だけれど大好きな映画だった。
9月16日(火)
敬老の日は、いや敬老の日のイベントは昨日かと思っていた・・一昨日だった。そのうっかりのお陰で井上真偽を読み、昨日は2時間歩いた。夜はデュプランティスの棒高跳び6メートル30の世界新記録達成をTVで観る。
9月15日(月・休)
夕方近くなってから銀座まで出て、幾つか滞っていたことを片付ける。松屋に行くのも何年ぶりか。きれいな物がいろいろあって目の保養。美礼が text を書いたというアンビエンテックのポータブルランプ Xtal がいい。
9月14日(日)
この頃ミステリをまったく読んでいないのに新聞広告で文庫版がでたと知り、買ったのが井上真偽『アリアドネの声』。今日から何日か休みがまとまったので手に取る。ヘレン・ケラーにドローン。外出をキャンセル・・・
9月13日(土)
山梨のシャインマスカットが美味しい。透明感が張りつめて光っているような緑色が美しい。一房が光る粒をぎっしりと支えていて重い。でも指で触れるだけで一粒がはらりと外れて、しかも瑞々しい。口の中で甘く弾ける。…
9月12日(金)
ジョージア語講座で私にも訳文を付ける箇所が割り振られ、真面目に取り組む。ぎっちりと文字の並ぶ読み物は人名や地名にマーカーで印を付けながら読む。ジョージア語には大文字がないので、こうしておくと読みやすい。
9月11日(木)
「線状降水帯」という言葉が緊急ニュースに現れるようになったのはいつ頃から? 激しい雨が一点に集中するため崖崩れのような危険性が高まるらしい。東京で今日は文京区や品川区に警告が出た。新宿から急いで帰る。
9月10日(水)
大人で双子の方に会うことはあまりない。メトロ車内で前に座った60歳くらいの二人の女性がそっくりで、チラッと見てしまった。服装は違いながら、足先の組み方と素足に履いた白いサンダルがベルトの幅以外同じだった。
9月9日(火)
サイト『水牛通信』に吉良幸子さん(わがブログの管理人)が書く「日記」が2年近くなる。どこ訛りというのか魅力的な言葉遣いがユニークな内容とピッタリ。これからは篠原演芸場がたびたび登場しそうでこよなく楽しみ。
9月8日(月)
奈良美智へのインタビューを美礼に教えられてYouTube で。スタジオの様子、常にひとりという制作過程、絵の具やキャンバスについての一人語りが楽しい。ロンドンの Hayward Gallery で開かれた最大規模の個展もネットで。
9月7日(日)
ふと思う。毎週クラスで10数人に会って一人ひとりの個性ははっきり見えるのに、後で服装を思い出せない。一緒にお茶を飲んだりすれば、涼しそう、とか楽しいブローチ、とか思うだけ。そういうセンスのあり方もいい。
9月6日(土)
コム・デ・ギャルソンの個性的な黒に白色模様のスカートをはいた美礼とゴミ捨てに行く。プラスティック資源ゴミ2袋、燃えるゴミ2袋。毎日捨てていれば、こんなにあるはずないと言われながら私はトボトボとついていく。
9月5日(金)
台風15号は昼に2時間ほど強い雨を降らせて去ってしまった。木たちは久しぶりの水浴びに気持ちよさそうだったし、私はベランダに出て外から大きなガラス戸を拭き、透き通らせた。警戒指示を出しすぎに思う最近の予報。
9月4日(木)
昨日、北京の天安門広場で開かれた軍事パレードで三人の首脳が笑顔で並ぶ写真を見る。シーチンピン中国国家主席、プーチン・ロシア大統領、キムジョンウン・北朝鮮総書記。式典スピーチでの平和という言葉が刺さる。
9月3日(水)
女子世界バレー準々決勝で、日本チームが圧倒的に背の高いオランダチームに勝った。大谷翔平が46号ホームランを打った。大坂なおみが全米テニスで明日、準々決勝に。スポーツにはあまり興味がないと言いながら。
9月2日(火)
日常的に踊り場が二つある階段を上がることが多い。ちょっときつい。ブローティガンの『1/3 1/3 1/3』を唱えながらがんばる。最初が創作、次が編集、最後がタイプ打ち。いちばん楽なのは創作で、実際、そうだろうと思う。
9月1日(月)
昨日は東京都心でも正午に40度を記録。9月になった今日も、ポストと家を往復するだけで、どんなに日陰を拾って歩いていても帰ってくるとTシャツが汗ばんでいる。夕立という言葉すら懐かしい。今年は朝顔も見ていない。