6月30日（日）
昨日の映画は公開されたばかりの『九十歳。何がめでたい』。この佐藤愛子原作は次作とシリーズで160万部売れているという。すごい。映画は草笛光子、唐沢寿明を中心に芸達者が揃い、心地よかった。作者はいま百歳。
6月29日（土）
横浜の水、土2クラスのほぼ全員が集まって Comedor de Margarita で涼暮会。騒音の中での一角を確保して、で少し心配だったものの皆さん自由におしゃべりが出来た感じで、楽しめたとしたら、よかった。帰りに映画。
6月28日（金）
激しい雨の中を、勝どきのつがわ歯科に行く。椅子に掛けて上体を起こしたときに見える外の景色がいい。小学校横の脇道で普段着のひと達が歩いている。今日は黄色の防水服を着て自転車に乗る配達人の姿が多かった。
6月27日（木）
とても珍しいことに、新宿で続けてあった2クラスでの課題がまったく同じ箇所だった。そういう時に私が話すことはクラスによってかなり違うことが分かった。向き合うひとが違うのだから当然といえば当然だけれど。
6月26日（水）
幼な友達と話していると、年取るという感覚がこんなに希薄なものだと思わなかったと一様に言う。もちろん身体的な衰えは如何ともしがたいけれど、考え、感じることはあまり変わりない。成長しなかったのだろうか。
6月25日（火）
「割烹旅館もみや前の道路は対局中、立ち入りが規制された。5月19日の朝も静かに対局が始まろうとしている。」（藤井聡太名人と豊島将之九段との名人戦／朝日）別府市内のことらしい。こういう記事で平和を感じたい。
6月24日（月）
今年に入って最高の暑さだというので、一日、家でデスクワーク。だけ、というわけにもいかず洗濯をしたり片付けたり野菜たっぷりのスープを作ったり。きのう買っておいた真鱈の切身を入れてみたらすごく美味しい。
6月23日（日）
昨日、日比谷の jal プラザ前で久しぶりに『BIG ISSUE』に出会って買う。女性から。木場駅前で見かけなくなって以来。三鷹に毎週のように通っていた時期は駅のデッキで手に入れられた。直接買いたいけれど通販にしようか。
6月22日（土）
ヴィム・ヴェンダース監督『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』を日比谷でみる。キーファーといえば勁い枯れ草という印象だった。ここに描かれた作品群は、すべて巨大で重い。工場風アトリエの中を自転車で回る。
6月21日（金）
白石かずこさん、14日に逝去。初期の詩に遭った時、私は高校生で衝撃を受けた。多分、恵一さんのお姉様だとは知らなかった。やがて長詩に音楽を聴くように浸った。「紅葉する炎の15人の兄弟日本列島に休息すれば」。
6月20日（木）
昔、マーガレット・ドラブルの小説でペーパーバックになったのを片端から読んだ。忙しい時期だったからエレベーターや電車の中とか立ち止まれる時間に半ページずつ進むのでも面白かった。ほぼ同い年で今もお元気。
6月19日（水）
ノンアルの私風正しい飲み方。肴を用意しておき、冷えた缶から冷やした大きめの赤ワイングラスに注ぎ、溶けにくい氷を一つ入れる。外でーー肴はポケットに入れ、冷えた缶から直接飲む。夏は土手で花火を見ながら。
6月18日（火）
給湯器やレンジのガスが点検しやすいようにしておき、朝のうちに作業が終わると、時も場も雨に閉ざされ、静かで優雅で、心が伸びやかになる。ガラス戸の先は水滴と緑と曇銀色の空。ブルーチーズと蜂蜜とノンアル。
6月17日（月）
植草甚一さんの仕事というか生き方の自由さに憧れていたことがあった。もちろん私もまだ若かった。でも晶文社の人達は誰もがぴしゃりとヤメナサイと言った。そしてすぐ別の話に移るのだった。なぜだったのだろう。
6月16日（日）
交通事故で世を去った16歳の息子の心臓を臓器移植に提供した父親が、手術前に録音された息子の鼓動を埋め込んだ愛らしいクマの縫いぐるみを抱きしめる動画を見る。そうやって生かされた尊い身体の一部。切ない命。
6月15日（土）
眠い。朝4時半に目が覚めて、そのまま一日を始めてしまい、横浜から帰ってくるなり眠い。身体がスッキリしない。こういう時に一番安らぐのは美味しい日本茶なので、それがまた目を冴えさせるのだけれど、これから・・
6月14日（金）
外は32度の暑さ。明日の授業でキャサリン・アン・ポーターの『Theft 』を終える。数々の訳がある最後を私はこうしたい。「どんな泥棒も恐れない自分は正しかったけれど、私こそ泥棒で最後は自分に何も残すまいとしている」
6月13日（木）
20日の都知事選候補告示日に向けて、取り沙汰される限り、与党にも野党にも無所属にもスカッとした顔ぶれが見当たらない。投票率を上げることに助力したいけれど、これでは熱が入らない。政治の世界は曇り空。
6月12日（水）
横浜に向かう京急のボックス席で前に座った多分30代の男性が英語の多読法と題する本を読んでいる。面白いかなあ。それ1冊読む間に英語の小説1冊読めば？ それにしても京急の値上がりときたら！ 回数券も廃止された。
6月11日（火）
久子さんがJR車椅子ケアを利用して西国分寺駅から武蔵野線、埼京線を経て彩の国さいたま芸術劇場へ「コンドルズ」の公演を観にいったとのこと。素晴らしい！与野本町駅からのあの距離は笠井叡さんが押したのかしら。
6月10日（月）
新宿クラスは今期、出席できないひとが多く、それでも課題訳が送られれば添削して返送し問題ない。入院すると聞いた後、音沙汰のなかったTさんと昨日、電話で話せた。深刻な状況に心配がつのる。いろいろな人生。
6月9日（日）
50年以上前に出た本の最後のページには、よく、筆者の住所が付記されている。でも何十回と読みながら、手紙を書くことは思いつかなかった。今、ファンレターを書きたくなる。大作家になっている若い頃のその人に。
6月8日（土）
若い時に読んだ本を目にするのは興味深い。それにしても、と思うことも多い。手元に亀井勝一郎『絶望からの出発』があり、「わが人生観」シリーズ21冊中の1冊だ。他の筆者も全部、男性。そんな、と今は思う。
6月7日（金）
天人で素数について読み、素数は素敵な数字なのだと思い出した。美礼達は二人とも素数月の素数日に生まれ、入籍も素数の月日にしたのだった。天人では素数の年にだけ生まれる蝉がいると語っている。素敵な不思議。
6月6日（木）
鎌倉の明月院を訪れたひとが青い紫陽花の写真を送ってくれて、その清楚な艶やかさに、うっとりする。どこに見に行こうか。この間は金平糖をぎっしりと集めて紫陽花に見立てたお菓子をいただいた。紫陽花の季節。
6月5日（水）
QR コードは不思議。紙に印刷されているゴチャゴチャのマークをスマホで読み取ると、私の名前まで入った個人宛の通知が出てくるものもある。ただ私は今だに電話もテレビも不思議に思うのだから、どうしようもない。
6月4日（火）
メキシコで初めて女性が大統領に選ばれた。Ms. クラウディア・シェインバウム。環境工学で博士号を持つ学者であり、5年間メキシコ市長をつとめた政治家でもある。悪化する治安の改善を求められている。がんばってね。
6月3日（月）
茨木のり子の詩「落ちこぼれ」を読んだのは『汲む』を表題においた詩画集で。画が宇野亜喜良。細長い小型の本でページが全部つながりジャバラとなっている。収まった11篇の詩の最初は、あの「自分の感受性くらい」。
6月2日（日）
Facebook もXもなぜか中途半端なまま。時に項目だけ届いて、まれに開けたりする。今日は北杜市遠照寺の和心さんの素敵な文章を読み写真も見られたのに、二度目はうまくいかなかった。それにしてもXはいつまでX ？
6月1日（土）
「落ちこぼれ／和菓子の名につけたいようなやさしさ・・落ちこぼれにこそ／魅力も風合いも薫るのに／落ちこぼれの実いっぱい包容できるのが豊かな大地・・落ちこぼれ／結果ではなく／落ちこぼれ／華々しい意志であれ（茨木のり子『落ちこぼれ』から抜粋）
