「日本橋夜話」牧南恭子

「凞代勝覧(きだいしょうらん)」という約十二メートルの江戸時代の絵巻物がある。
そこには今川橋から日本橋にいたる目抜き通りのにぎわいと、千六百人におよぶ人びとの姿が描かれている。この絵巻物はベルリン東洋美術館が所蔵しており、レプリカが江戸東京博物館に陳列されている。 

第十四話 雨の匂い
第十三話 桜の樹の下
第十二話 振舞い大助
第十一話 霜の声
第十話  黒 髪
第九話  屋根裏の住人
第八話  不機嫌な虹
第七話  思い出 筺
第六話  四十雀
第五話  陰 膳
第四話  早急の審議
第三話  画仙 菱川松柏
第二話  冬の陽炎
第一話  日本橋の霧


牧南恭子(まきなみやすこ) : 
小説家。講談社『爪先』でデビュ−。『帰らざる故国』『五千日の軍隊』など満州物のあと、時代小説のシリーズ物が多い。『ひぐらし同心』は、『時代小説最強ガイドブック』で120シリーズ中のベストテンに入る。『つぐない屋お房』は、しそびれたお礼や 昔の過ちをつぐなう、というユニークな裏家業を取り上げている。ほかに『旗本四つ葉姉妹』など。